水道事業基本計画2006後期見直しの背景

 ライフスタイルの多様化、環境に配慮した節水意識の高まりと節水機器の普及などにより、全国的に水需要が減少しています。また、高度経済成長期に整備した水道施設が更新時期を迎え、施設の建設から維持管理の時代へ移行するなど、水道事業を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。
 越谷・松伏水道企業団では、平成18年3月に「水道事業基本計画2006」を策定し、平成18年度から27年度までの10か年を計画期間として事業を推進してまいりましたが、策定から5年が経過し、水道を取り巻く環境や社会・経済情勢の変化に対応するため、計画事業の総点検と財政収支計画を見直し、平成23年度からの後期5か年の方針を「水道事業基本計画2006(後期見直し)」として取りまとめました。
 施策の柱として掲げた 「安全な水の安定給水をめざして」「給水サービスの向上をめざして」「持続可能な水道事業経営をめざして」を実践していくとともに、これまで以上にお客様と一体となって、安全な水を安定的に供給できるよう職員一丸となって事業経営に取り組んでまいります。
 
  水道事業基本計画2006後期見直し全文 [1336KB pdfファイル] 

 

水道事業基本計画2006後期見直しの概要 ※各項目にジャンプします

水道事業における課題

水道事業の現状分析と見通し

目標達成のための方策

財政収支の見通し
   
 

水道事業における課題

 現状における企業団の課題は以下のとおりです。

 水需要の鈍化
    ・ 的確な水需要動向の把握
  財政計画の再検証

   ・ 事業計画の見直しなど財政収支計画の再考
  資産管理の適正化(アセットマネジメントの構築など)
    ・ 長期的な視点からの水道施設の改築・更新計画の策定
  水質管理の厳格化(水安全計画の策定など)
    ・ 水源から蛇口まで、安全な水を安定的に供給できる管理体制の強化
  お客様ニーズの把握と施策への反映(お客様意識調査(平成22年度実施)結果のまとめ)
    ・ 水質に対する不安
    ・ 地震対策、環境対策への関心
    ・ 現状の水道施設水準に対する評価

 

水道事業の現状分析と見通し

 ●人口及び世帯数の見通し 

 給水人口は平成21年度末で約358,000人、世帯数は平成21年度末で約146,900件であり、微増ではありますが増加傾向にあります。将来は、平成34年度をピークとして減少に向かう見通しとなっています。

 

 

 ●給水収益の見通し

 給水収益は、平成21年度末で約67億円であり、1日最大配水量の低下と共に減少しており、将来においても緩やかに減少する見通しとなっています。
 1日平均配水量及び1日最大配水量についても、節水意識の高揚や節水機器の普及などに伴い減少する傾向を示しています。将来的には、一人当たりの使用水量が減少することに伴い年々減少していくことが見込まれます。

 

 

 ●施設の状況

 企業団の主要施設である、北部配水場、西部配水場、築比地浄水場、南部浄水場、東部配水場に関する主な指標値を以下に示します。
 施設の利用率、最大稼働率は全国平均値と比較しても高い水準にあり、効率的な運用がされています。また、管路の耐震化率は年々上昇していますが、その一方で、既存の電気・機械設備や管路では法定耐用年数(必ずしも施設や設備の寿命とは一致しません)を超過したものが年々増加しています。

 

 

 ●経営の状況

 企業団における主な経営指標値を以下に示します。

  • 営業収支比率及び総収支比率は100%を大きく上回っており収益性は良好です。
  • 供給単価は年々減少していますが、経営改善などにより給水原価も減少しているため、回収率はほぼ100%を上回り、健全な経営状況といえます。
  • 企業債充当率は、10%から20%と低く、企業債償還金対減価償却費比率も60%前後で推移しており、財務面でも安定した事業経営といえます。

  

(税抜き)

 

 ●主な業務指標の推移

 「水道事業基本計画2006」策定時点からの指標値の推移を以下に示します。

  • 「漏水率」の減少と共に、「有収率」「有効率」が上昇傾向を示しており、効率的に給水が行われています。
  • 経年化している設備と管路の割合が上昇していることから、優先度や財政状況を考慮しつつ、効率的な施設の更新が必要となっています。
  • 各施設の耐震化については、その必要性はお客様意識調査にも現れていることから、施設の更新と併せて効率的に進めていく必要があります。
  • 「再生可能エネルギー利用率」は上昇しており、温室効果ガスの排出抑制や電力使用料の抑制にもつながっています。


目標達成のための方策

基本方針

Ⅰ.安全な水の安定給水をめざして


 水道事業の要件として、これまでめざしてきた水道供給の基本的なあり方については今後も継承します。主な事業は、以下のとおりです。


 

 

Ⅱ.給水サービスの向上をめざして


 施策の意図は、安全・安定という水道水供給の基本的なあり方はもとより、さらなるお客様に対するサービス向上をめざすものとして、お客様の視点から見た水道事業運営のあり方を示すものです。主な事業は、以下のとおりです。


 

 

Ⅲ.持続可能な水道事業経営をめざして


 施策の意図は、これまでの「効率的な経営」に代えて、「持続可能な経営」を掲げるものです。経営の効率化が必要であることはもとより、組織のあり方や技術の継承(研修、職員数・配置、OA化の推進など)、財政面の安定化(料金収入、計画的な投資など)、環境への配慮も重要な問題です。このようなことから、社会的な配慮をも組み込んだ持続可能な経営をめざします。主な事業は、以下のとおりです。

 
 

 

 お客様とともに計画を推進する体制の構築

 企業団では、今回の見直しをきっかけに、お客様とのコミュニケーションの充実や情報共有、説明責任の必要性、また、職場内の意思疎通や活性化について検討しています。
 今後、より一層広報広聴活動の充実や経営改善に努め、これまで以上にお客様に信頼され、満足いただける水道事業を目指していきます。

◎取り組みの方向

  • お客様の水道事業に対する理解を深め、水道使用に対する満足度を高める。
  • 情報の共有化やコミュニケーションの活性化、職員参加による施策の目標設定などを通じて、職員の業務に対する目的意識を高め、業務の効率化・高度化、品質向上を図る。

 

財政収支の見通し

 収益的収支の推計

 営業活動等に伴って発生する収益(給水収益)と費用(県水受水費、減価償却費、支払利息、人件費等)を表しています。


 資本的収支の推計

 配水管や給水管などのインフラ整備に伴って発生する収入(工事負担金、加入者分担金、企業債等)と支出(建設改良費、企業債償還金等)を表しています。


 上記のように、財政収支の見通しは、給水収益の減少とあいまって、収益的収支による十分な純利益の確保が困難となることが見込まれます。しかし、一方では、企業債の未償還残高を確実に減少させつつ、更新時期を迎える多くの水道施設の更新を進めながら、ライフラインとしての水道事業を安定的に経営していかなければなりません。
 さらに、本計画期間中、県水の料金改定があった場合や配水量の減少により、給水原価が供給単価を上回ってしまう状況も想定されることから、常に収支のバランスに配慮しなければなりません。